『
いねむり先生』 /伊集院静

内容(「BOOK」データベースより)
最愛の妻である女優と死別し、ボクは酒とギャンブルに溺れる日々にあった。そんな折、友人のKさんが、初めて人を逢わせたいと言った。とてもチャーミングな人で、ギャンブルの神様として有名な作家、色川武大(阿佐田哲也)その人だった。先生に誘われ、旅打ちに一緒に出かけるようになる。先生の不思議な温もりに包まれるうち、絶望の淵から抜け出す糸口を見出していく。自伝的長編小説の最高峰。 -amazonより-
伊集院静の作品は初めて読んだ。
『
麻雀放浪記』の阿佐田哲也なら知っていたが、
、それが色川武大という純文学作家で、いねむり先生だったとは。
小説としては、これなら僕にも書けそうだと思わせる。
だが、この簡明で淡々とした筆致ゆえに、作者の悲しみや孤独、人々の温かさ、いねむり先生への思い、いねむり先生の作者への思い、これらがしみじみと立ち上ってくる。
この心地よさよ。
分厚いハードカバーだが、会話文が多く、改行も多いので、あっという間にページを繰れる。
作者がラジオ「学問のススメ」で、とにかく「チャーミングな人」と評した色川武大。
たしかに、そうとしか表現できないすごい人物であった。
温かく、そして、応援したい作品。

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