ジャカルタでの
jalan-jalan ジャラン ジャラン未舗装の乾いた地面と赤土と砂埃が、僕の眼には眩しく映った。

ソピル(運転手)付の日常が当たり前のジャカルタ生活、
ありがたい反面、自在に外出、移動できない煩わしさも感じる。
先方は仕事として、僕や、僕の妻子を、命じられるまま目的地への送迎を果たす。
職場、市街地への食事、近くのスーパーやモールでの買い物、習い事や各種サークル、
幼稚園や学校、友人宅、銀行、空港、その他もろもろ、外出の際は、ソピルとの同伴が大原則である。

(職場や邦人社会では赴任者が車の運転をしてはならないという不文律があった。

事故や事件等、一介の外国人が不測の事態に対処するには、
あまりに危険が大きいから当然である。
ルールを破った自分が言うのは恐縮するが、
人には絶対におすすめしない!)
が、田舎者の好奇心を満載して赤道を越えたきた僕は、赴任2年目には、車とバイクの現地免許を取得した。
何度か車にも乗ってみたが、バイクと比しても、相当の緊張感を伴い、ものすごい疲労感に襲われる。
ジャパンクラブ主催かなにかの、ソフトボール大会への参加のため、
早朝から車に一人乗って高速道路をぶっ飛ばしているとき、
「
世界は広い、そして僕はまだ若い!インドネシア最高!
」
全身の開放感と三十路の青春を謳歌する一方で、
「パンクしたらどうしよう」
「車のネジが外れて故障したらどないしよ」
「煙出てけーへんよな」と、
現地生産のMAZDAの1BOXカーの性能に、本気でびびっているのだった。
