『硝子の塔の殺人』 / 知念実希人

数地域の図書館のデータに網を張って、ようやく「貸出可」の表示が目に留まる。
初訪問の古びた図書館。
古今東西の蔵書が醸し出すかび臭さは、未知への世界と誘うようで妖しげである。
久々、一気の徹夜読み。
話題になるのも首肯できる一作。
「本格ミステリー」愛が、作者にも、登場人物にも溢れ、ときに辟易する。
硝子の塔の構造をイメージするのも難しく、登場人物の名前も馴染みにくい。
医師が書いた感がしない点でも「ライト」感は否めない。
だがしかし、…それを凌駕する怒涛の展開、ラスト数十頁。
続編への期待が高まる。
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